赤い夜「赤い夜」は虐殺と失われた記録庫によって赤王たちの時代を終わらせる。その重要性は誰が死んだかだけではない。分離ノードで何が行われていたかを隠すため、誰かが記録そのものを破壊した可能性にある。記録のない夜赤い夜は、第二人類時代の末尾に焼け焦げた跡のように横たわる。その頃には赤王たちの世界は探索を越え、魔法的野心へ進んでいた。暴君魔術師は分離ノードを儀式に使い、魂、意識、器から器への移送を実験した。北方遺跡への最初の遠征によって、人類世界はすでに「理解するより操作する方が容易な」システムと直接接触していた。赤い夜はその実験を暴力で閉じる。魔術師は虐殺され、記録庫は破壊される。それだけなら、この出来事はありふれた粛清にすぎない。歴史的な重みは、記録が失われたことから生まれる。後世の異端審問伝承は、生き残った年代記が偽造されたと主張する。しかしその告発自体が疑念を生む。文書が信用できないなら、誰が改変したのか。記録庫がすでに破壊されていたなら、後世の権力は何を根拠に偽造を特定したのか。世界設定集はこの矛盾を解かない。制度が最も声高に確実性を主張する瞬間こそ、その公式な確実性が最も信用できなくなる地点として赤い夜を置いている。この事件は政治的な残像も残した。赤王たちは倒され、王家または教団の後継者がギルドグレイド地下墓地へ消え、伝承では「赤い影」として生き残る。後世は、起源をもはや明瞭に再構成できない魂の技法、魔法制度、不安を継承する。白王たちはやがて抑圧と反魔法を中心に自らの秩序を築くが、赤い夜が示すのは、消去が危険な知識の反対ではないということだ。消去そのものが、文脈を失った危険な知識を生き延びさせる仕組みになり得る。したがってコデックスにとって赤い夜は、事件であると同時に認識論上の傷でもある。正典は、粛清があり、魔術師が死に、記録庫が失われたと述べられる。しかし、それらの事実が約束するかのような安堵できる最終頁を正直に提供することはできない。後世のあらゆる解釈はその夜が作った空白の内側から始まり、「何が起きたかを正確に知っている」と主張する権威は、その証明に必要な証拠がなぜ破壊されたのかを説明しなければならない。